なぜ?訪問してまで歯科治療を行うのか?

訪問治療のイメージ1
訪問治療のイメージ2
まず、木下歯科医院では、歯科医療が「診察室で完結する」医療にとどまらず、「暮らしの中で、食生活を維持し、患者の生きがいを支える」歯科医療を心がけます。

そして、要介護の認定を受けられている。または、病気などで通院困難な方のご自宅や施設などを歯科医師や歯科衛生士が直接訪問し、訪問看護ステーションの職員の皆さまやケアマネージャーの皆さまと計画的に継続して口腔内の医療的な管理を行います。入れ歯や歯周病、口臭などのお口のお悩みを解決することによって、ご本人の健康の維持増進を図ると同時に、介護される皆さま方のご負担を軽減するように診療ニーズの変化に合わせた「かかりつけ歯科医」として努力いたします。

例えば、 厚生労働省の「2015年人口動態統計月報年報」で明らかになった。死亡数の死因順位は(1)がん、(2)心疾患、(3)肺炎、(4)脳血管疾患

第1位のガンは、2015年の全死亡者に占める割合が28.7%となっており、およそ3.5人に1人が「がんで死亡」している状況です。がんは1981年以降に死因順位の第1位になってから、一貫して増加しています。

第2位の心疾患も第4位の脳血管疾患も口腔内の細菌が運ばれて原因となると言われています。

それはこういうことです。

狭心症・心筋梗塞などは動脈硬化により心筋に血液を送る血管が狭くなったり、ふさがってしまい心筋に血液供給がなくなり死に至ることもある病気です。

動脈硬化は、不適切な食生活や運動不足、ストレスなどの生活習慣が要因とされていましたが、別の因子として歯周病原因菌などの細菌感染がクローズアップされてきました。

歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)が出来血液の通り道は細くなります。

プラークが剥がれて血の塊が出来ると、その場で血管が詰まったり血管の細いところで詰まります。

脳梗塞は脳の血管がプラークで詰まったり、頸動脈や心臓から血の塊やプラークが飛んで来て脳血管が詰まる病気です。歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になり易いと言われています。

血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方は、動脈疾患予防のためにも歯周病の予防や治療は、より重要となります。

肺炎の原因となる細菌はお口の中に潜伏していますが、健康な方でしたら、気管に細菌が入り込んでも咳や白血球の防衛などにより排除することができます。しかし、年をとるといずれの防御能力も弱くなり、またものを飲み込む力が低下するため、高齢者の方は知らず知らずのうちに細菌が気管から肺へ流れ込んでしまい、肺炎を発病してまうのです。 したがって、歯科医師や衛生士による専門的な口腔ケアによりお口を清潔に保ち、細菌を排除することが必要となるのです。 同時に、食べる、話すなどのお口の機能が低下していくのを防ぐために、専門的な口腔マッサージや構音訓練などの口腔リハビリを行うことで、お口の働きを維持向上させます。

以上のことにより口腔内を専門家に管理させていただくと危険性を下げることができるのです。

歯科衛生士の行う口腔ケアには主に2通りあります。

1つは、口腔内の清掃です。口腔内の構造は複雑で、しかも細菌の繁殖がしやすい状況にあります。そこで、ご自身はもとよりご家族、施設のスタッフではカバーしきれないところを、歯科医師や衛生士が一人ひとりに適した専門的な方法で清潔ケアを行い、口腔内の清掃状態の改善をはかり、高齢者に多い誤嚥性の肺炎や、インフルエンザなどの感染性疾患の予防をいたします。

もう一つは、噛んだり飲んだりするお口の機能の回復です。お口のマッサージや体操、発音の練習などの口腔リハビリを行いながら、口腔機能の維持・向上を図り、できるだけ長くご自分の口で食べる、会話を楽しむなど、心身ともによりよい生活が行われるようお手伝いいたします。

歯科医師の行う歯科治療は治療用器材(レントゲンや切削器具など)を持って伺いますので、基本的には歯科医院と可能な限り同等の治療が可能です。入れ歯(義歯)の作成・調整・修理、抜歯、歯周病の治療などを行います。ご要望が多いのは、加齢による口腔内の変化や歯肉の衰退などで起こる義歯の不適合の調整や、義歯の作成です。


治療のために特別準備していただくものはありませんが、電源とお水をお借りさせていただきます。